「ॐ」

アジアやエスニックが好きな方であれば一度は見たことがあるであろうこのマーク。

ヨガをやっている人ならマントラとして唱えたことがある方も多いのではないでしょうか。

ॐは「オーム(Om)」と呼び、ヒンドゥー教やバラモン教における聖音とされており、根源的な宇宙の音とされています。

この言葉は宇宙の始まりの音、完全な音とされており、唱えるだけで不調和なものも調和へ導いてくれると言われています。

というのも、私たちの身体はほとんどが水分でできています。

水分は音の振動の影響を受けやすいです。

この「ॐ」オームを唱えたときに発せられる音の振動が身体をより良い方向に導いてくれるのです。

やっぱり宗教的やんけ！と思ったそこのあなた。

確かに致し方ないです。怪しいです。

けれどこの「ॐ」私たち日本人の文化にもつながってくるのです。

もう少しだけお付き合いください。

ॐ「オーム(Om)」は正確には「AUM-アウン(ム)-と発音し、

「A」は始まり (創造神ブラハマー)

「U」は維持   （維持神ビシュヌ）

「M」は終わり (破壊神シヴァ)　

を表し、「全て」を表現していると言われています。

全ての物事には「始まり」があり、それを「継続している状態」が続き、そして必ず「終わり」がくるということです。 人の生涯も、朝、昼、夜という時間の概念も同じです。

破壊というとネガティブな印象を受けますが、新しいものを作るためには一旦リセットしなければなりません。 一度壊す、終える、ということは必ず必要なことなのです。

もしかしたら今生きている世の中も一度壊された後につくられた世界かもしれませんね。

そしてまた作りなおすためにいつか破壊が行われるのかもしれません。

信じるか信じないかは。。。。

話が少し逸れてしまいましたが、「ॐ」のマークを見るとインドやヒンドゥーと言った印象を強く受けますが、日本人にとっても関係のない話ではありません。

「AUM-アウン(ム)と聞いて、何か頭に思い浮かぶ言葉はないでしょうか？

「阿吽(あうん)」です。

息がピッタリのことなどを「阿吽の呼吸」と言ったりしますが、この「阿吽(あうん)」は「ॐ」オームからきています。

更に漢字の意味としても

「阿」は万有の始まり、「吽」は帰着を意味しており、始まり〜終わりを表しているのです。

※余談ですが、ひらがなも「あ」から始まり「ん」で終わりますよね。これもただの偶然なのでしょうか。

日本の文化にも関係していると判明した「ॐ」ですが、密教を通して仏教にも伝わったとされています。

仏教の「南無、阿吽」や真言密教の「オン」も「ॐ」オームからきています。

それ以外にも、キリスト教の「アーメン」イスラム教の「アミン」チベット密教「ア・フーム」が同じ音だといわれおり、それらが全て「ॐ」オームと同じ音だとされています。

更に身近なところにも「ॐ」オームは存在しています。

お寺の鐘、梵鐘の響きです。

あのなんとも言えない懐かしさを感じる鐘の音は「ॐ」オームと同じ響きに聴こえます。

そしてあの鐘の音はすごく心地よく身体に響いてきませんか？

ここで初めの方に述べた身体の中の水分が「ॐ」オームの音の振動の影響を受けるという話に繋がってきましたよね。

この鐘の音(ॐ)を聴くことで身体が浄化を行なっていたのではないかと思っています。

(近年ではそんな鐘の音も騒音だというクレームで鳴らせなくなっているのも、現代人が神聖な『氣』を失っていっている証ではないかと個人的には思います)

これらのことを踏まえると、現代社会において考え方の違いや宗教の違いによって様々な争いが起こっていますが、元を辿れば、

全ては混じり合い、繋がっており、行き着く先は一つだということを感じざるを得ません。

そんな「全て」とされる「ॐ」に今回は着目して勉強しながらデザインを製作しました。

皆さんも少しでも気になったことを一度深く調べてみると、

予想外に自分の身近なところに行き着くといったことがあるかもしれませんよ。是非。

ちなみに「ॐ」に関しての事項が多くなってしまいましたので、ついでのような形のご紹介になってしまいますが、

今回手描きでデザインした人差し指と親指を合わせてできるこのような手の型はヨガでは「Chin mudra」チンムドラーと呼ばれ、これにも当然意味があります。

親指は「神・宇宙・最高原理」を表し、人差し指は「心・自我」を表すといわれています。

自分自身と宇宙の最高原理がつなげることを意図し、その親指と人差し指が繋がっていること＝「全てがひとつであること」がゴールであると言われています。

このチンムドラーが表す「全てがひとつであること」

「ॐ」が表す、始まり〜終わりである「全て」をリンクさせたデザインになっています。

この手のポーズ、仏像がやっているのを見たことありませんか？

仏教では「来迎印(らいごういん)」と言い、仏さまが極楽浄土からお迎えに来る際にしている手のポーズなのです。

ここでも繋がってくるから、本当に不思議ですよね。

最後までお読みいただきありがとうございました。